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イシダが開発、物流現場に「最新版ピッキングカート」の機能

イシダが開発、物流現場に「最新版ピッキングカート」の機能

イシダの新型ピッキングカート「さいまるカートV4」

イシダ(京都市左京区、石田隆英社長)は、作業者の身体負荷を軽減しつつ生産性を向上する計量検品機能付きピッキングカートを開発した。人間工学に基づいた筐体(きょうたい)設計と作業効率を高めるソフトウエアの搭載により、人手不足や作業者の高齢化、物量増加が進む物流現場の課題を解決する。3月中に発売予定。価格はタイプによって異なるが、消費税抜きで193万円から。年間1000台の販売を目指す。

新開発の「さいまるカートV4」は、物流施設などで商品のピッキングと同時に計量検品が行える計量器内蔵型の仕分けカートの最新版として展開する。

高齢作業者の腰などへの負担を減らすため、兵庫県立工業技術センター(神戸市須磨区)と筐体を共同設計した。被験者にモーションセンサーを取り付けて行った実験結果から、下段計量部の位置や角度、オリコン位置を最適化。腰角度は従来機種比約15―20度、筋肉活動量も同約10―30%それぞれ軽減した。

ソフト面では渋滞予測機能を新たに追加。商品棚間の通路で渋滞するエリアを先読みして避ける作業指示を出し、効率的なピッキングにつなげられる。また初心者やベテランなど作業者の能力を考慮した作業指示を作成する機能も搭載した。

はかりの数や向きによって計5機種をそろえた。多品種少量ピッキングにも対応する8はかりタイプも用意する。

食品工場や小売り向けなどの計量包装関連機器を手がけるイシダは、物流向けにマテハン機器やシステムを提案する「物流FA事業」を展開している。同事業が売上高に占める割合は1割程度だが、今後物流需要が高まる東南アジアを中心に海外展開も積極化し、主力製品のさいまるカートなどの拡販で事業拡大を狙う。

日刊工業新聞 2024年02月09日

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