オリックス、東芝出資のIRR目標20%に…井上社長「5年再上場はめど」
オリックスは日本産業パートナーズ(JIP)傘下で経営再建を目指す東芝への投資について、年平均の利回りを示す内部収益率(IRR)の目標を20%に設定した。オリックスは通常、プライベートエクイティ(PE、未公開株)案件でIRRの目標を15%以上に設定している。今後、非上場化した東芝の企業価値を引き上げることで高い収益の獲得を目指す。
またオリックスの井上亮社長は、JIPが5年で東芝の再上場を目指していることを念頭に「(JIPの計画が)スケジュール通りいくかは、見てみないと分からないため、5年(で再上場すること)はあくまでもめどだ。コミットメント(公約)があるわけではない」と強調した。東芝による劣後ローンの返済も再上場の時期に影響を与える可能性がある。
オリックスは2023年9月、東芝に出資と劣後ローンで、それぞれ1000億円を拠出。同年12月に発足した東芝の新役員体制には取締役として幹部1人を派遣した。これからは「(東芝が)合意事項を守って(経営を)進めているかモニタリングしていく」(井上社長)考えだ。
東芝は同年12月の会見で、売上高営業利益率について24年3月期予想比約7ポイント増となる10%まで早期に高める方針を示した。島田太郎社長は「重要でもうかるところに資源を再配分する」とし、事業の見直しやコスト削減に取り組む考えだ。再上場については「株主が決めること」という説明にとどめていた。
【関連記事】 日立が電機業界で勝ち組になったグループ戦略
日刊工業新聞 2024年01月19日