杭全長の鉛直精度向上する新システム、三井住友建設が場所打ち杭工法で有効性確認
三井住友建設は17日、場所打ち杭工法(オールケーシング工法)で杭全長の鉛直精度を向上させる「ケーシング下端位置計測システム」を開発し、屋外ヤードでの実証実験で有効性を確認したと発表した。ケーシング内に2軸傾斜計などを搭載し、ジョイント部は無線通信でデータを伝送する仕組み。地中部分のケーシング全長の傾斜を、リアルタイムで高精度に確認しながら施工できる。今後は実証実験で得た知見を生かし、現場への適用を目指す。
オールケーシング工法の掘削作業に使用するケーシングに同システムを搭載することによって、従来は見えなかった地中部分のケーシングの鉛直精度をリアルタイムで見える化する。また杭全長の傾斜を把握することで、杭の下端位置を算出して適宜修正し、場所打ち杭の施工精度を向上できる。
測定した各ケーシングの鉛直精度の結果に関しては、無線通信を使って管理用パソコンでリアルタイムに一元管理できる。このため、現場での鉛直精度の確認作業の省力化につながり、杭施工時の施工管理の生産性向上を図れる。
ケーシングの内側軸方向には鋼製保護部を設置。掘削時の衝撃などから計測・通信機器を守れる。
【関連記事】 三井住友FGの知られざる稼ぎ頭
日刊工業新聞 2024年01月18日