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ドコモがキャニコムと共同開発、「自動運転草刈り機」の実力

ドコモがキャニコムと共同開発、「自動運転草刈り機」の実力

草刈り機の機体上部にGNSSアンテナや監視カメラを搭載した

NTTドコモはキャニコム(福岡県うきは市)と共同で、遠隔操作や自動運転ができる草刈り機を開発した。キャニコムのラジコン式草刈り機に全地球測位衛星システム(GNSS)受信アンテナや監視カメラを搭載した。熊本県阿蘇地域の植栽地で概念実証(PoC)を始めており、2024年度に大規模太陽光発電所(メガソーラー)などで有償の実証を行う計画。河川敷やゴルフ場といった敷地面積1万平方メートル以上の場所の草刈り用として早期の実用化を目指す。

キャニコムのラジコン式草刈り機「アラフォー傾子」に自動運転、遠隔監視、遠隔操縦ができる機能を追加した。傾斜40度までの草刈りが可能。全長2320ミリ×幅1410ミリ×高さ1220ミリメートルで、重量は約720キログラム。前進・後退ともに最大時速4・5キロメートルで走行する。

河川敷など敷地が広い場所での草刈り用として需要を見込む

事前に草刈りを行う場所の座標データを自動運転用のITシステムに入力して走行ルートを作成。この情報に基づいたルートを草刈り機が自動で走行する。草刈り機に搭載した二つのGNSS受信アンテナで走行中の座標データを取得し、ルート通りに動いているかをシステム上で確認できる。

草刈り機の前後左右の映像を映す監視カメラ4台も搭載した。遠隔監視システムにより遠方から草刈り機を監視できる。遠隔操縦に切り替えることも可能。安全機能も備えており、現場の障害物などを検知して回避できる。

人が機体に寄り添って制御する従来の草刈り機は、炎天下や低温下での過酷な作業となり、利用者の負担が大きい。飛散物による事故、スズメバチなど害虫に刺される事故も回避できる自動運転型草刈り機の需要が、公園やキャンプ場など広大な土地を管理する事業者から見込めると判断した。

日刊工業新聞 2024年01月18日

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