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トンネル建設現場で本格運用へ、戸田建設が開発した最新ドローンの機能

トンネル建設現場で本格運用へ、戸田建設が開発した最新ドローンの機能

トンネル内での実証実験に使用したドローン

戸田建設はSpiral(東京都葛飾区、石川知寛社長)と共同開発した非SLAM型の飛行ロボット(ドローン)を使い、トンネル内で障害物を検知し安全なルートを選択して飛行できることを実証した。両社は今後も山岳トンネル建設の安全性と生産性の向上に向けて実証を重ね、2025年度までに現場での本格運用を目指す。

障害物検知センサーと障害物回避システムを搭載したドローンを使い、茨城県つくば市の実大トンネルで実証実験を行った。その結果、時速7キロメートルで1800メートル区間の飛行に成功。障害物回避飛行では、設置した障害物を避けながら定められた飛行経路を通過し、障害物検知センサーが正しく作動していることを確認した。

今回の検証によって非SLAM型のドローンの安定的な飛行と、障害物検知センサーの正確性について一定の成果を確認できた。このため重機などが輻輳(ふくそう)する現場での実用性が高まり、トンネル坑内の情報取得の高精度化が見込める。

今後、現場での外乱影響が障害物検知センサーに及ぼす影響について研究・改善を重ねる。また誤作動回避の設計など、一層の精度向上と試験運用に取り組む。

日刊工業新聞 2023年12月28日

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