認証不正のダイハツ…インドネシア・マレーシア工場で出荷再開、国内は見通し立たず
ダイハツ工業は25日、認証不正で出荷停止していたインドネシアとマレーシアの工場について、通常に近い出荷・生産を再開したと明らかにした。ダイハツとトヨタ自動車、第三者認証機関による安全性再確認を両国当局に説明し承認を得た。ただ、該当車種をタイから輸出するメキシコで当局との交渉が始まらないなど、車種により両社は出荷・生産を引き続き止めている。
国内については25日の本社工場(大阪府池田市)稼働を最後に、全工場を2024年1月まで停止する。しかし、国土交通省による検査では長年不正を続けた体質も問題視され、同月以降の見通しは立っていない。部品を供給するサプライヤーには説明会を続け、発注分と引き取り分の差額を補償する交渉を進める。
販売店には社員を張り付けて顧客対応を支援する。中古車は公的試験に合格済みで問題ないとし、整備とともに販売店が営業を継続する。サプライヤーと販売店の人的・資金的不安などの相談も受け公的支援の紹介などをする。ダイハツの工場では昼間は品質改善活動に取り組み夜勤を休業するが、コロナ禍と同等に賃金補償する。
軽乗用車のダイハツ「キャスト」とトヨタ「ピクシスジョイ」で判明した側面衝突時に自動でドアにロックがかかり出られない恐れがあることへの解明や対策を急ぐ。ダイハツの井出慶太コーポレート統括本部統括部長とトヨタの長田准執行役員は全車種の安全性確認を「衝突再試験やトヨタによる検査の目も入れ、両社1000人超体制で臨んでいる」と説明した。
日刊工業新聞 2023年12月26日