「ゆゆしき事態」(船主協)…コンテナ船大手、紅海通航中止相次ぐ
コンテナ船大手において、紅海とスエズ運河の航行を当面見合わせる動きが相次いでいる。イエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船への攻撃が相次いでいるため。これまでにデンマークのAPモラー・マースクや仏CMA CGM、スイスMSCなどが同海域でのコンテナ船の通航中止を公表した。
日本の海運大手3社が設立したオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)は19日に紅海・スエズ運河を経由するルートの航行を当面取りやめると公表した。
紅海を通らずにアジアと欧州や北米東岸をつなぐには、アフリカ大陸南端の喜望峰を経由して大きく回り込むルートとなる。
日本船主協会の明珍幸一会長(川崎汽船社長)は20日に開いた定例会見で「ゆゆしき事態だ。民間商船への攻撃はあってはならない」と攻撃を強く批判し、「乗っ取られた船の1日も早い解放を望む」と語った。
コンテナ船以外では今のところ全面的な紅海の通航中止の対応はみられないが「攻撃が激化しないか、事態を注視し、適切に対処しなければならない」とした。
日刊工業新聞 2023年12月21日