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半導体パッケージング開発拠点、ルネサスが大分工場に一部移転する狙い

半導体パッケージング開発拠点、ルネサスが大分工場に一部移転する狙い

ルネサスエレクトロニクスの吾妻浩介生産本部実装技術開発統括部長(左から3人目)、佐藤樹一郎大分県知事(右から3人目)、奥塚正典中津市長(右から2人目)

ルネサスエレクトロニクスは20日、半導体のパッケージング開発拠点の一部を大分工場(大分県中津市)に移転すると発表した。半導体製造の後工程を担う同工場では、主に車載向けの高機能デバイスを生産。今後、産業インフラや民生需要が見込まれることから、開発機能の一部を移転することで開発から量産までの期間を短縮し、効率化を図る。地元の優秀な開発人材の確保にも乗り出す。本格操業は2025年1月。

移転する機能は新規パッケージ開発と、製造ラインの自動化開発。武蔵事業所(東京都小平市)と高崎事業所(群馬県高崎市)から移転する。24年度に12人を新規採用し、27年度には20人規模に拡大する。設備移設や新規設備の導入にかかる投資額は数億円規模になる見込み。チップの設計は本社に残す。

同日、実装技術開発統括部の吾妻浩介統括部長らが大分県の佐藤樹一郎知事を訪れ、増設表明書を手渡した。吾妻統括部長は「今後、需要が見込まれるチップレットを使うパッケージにフリップチップBGAが使われ、これは大分工場のFC―BGAラインで製造しているので、開発機能を大分に持ってくる」と狙いを語った。


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日刊工業新聞 2023年12月21日

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