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パナソニックエナジーが車載用リチウム電池性能向上へ、次世代シリコン材を調達

パナソニックエナジーが車載用リチウム電池性能向上へ、次世代シリコン材を調達

パナエナジーの車載用円筒形リチウムイオン電池

パナソニックエナジーは12日、車載用リチウムイオン電池(LiB)の負極に使う次世代シリコン材を調達するため、米シラ・ナノテクノロジーズ(カリフォルニア州)と売買契約を締結したと発表した。シラの次世代シリコン材の採用により、電気自動車(EV)の普及に向けた車載用LiBの性能向上を実現。またシラをシリコン材の調達網に加えることで、北米での車載用LiBの生産拡大を見据えたサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化を進める。

調達するシラの次世代シリコン材は、従来のシリコン材に比べ高容量で充電時の膨張抑制が可能。パナエナジーの電池技術と組み合わせることで、負極材中の黒鉛をシリコンに置き換え、エネルギー密度を向上できる。またパナエナジーは7月、英ネクシオン(オックスフォード州)と次世代シリコン材の売買契約締結を発表しており、今後もさらにシリコン材の調達網拡大を進めるとしている。

シリコン材は、LiBの負極材に広く使われている黒鉛に比べ、約10倍の高いエネルギー容量を持つとされる。


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日刊工業新聞 2023年12月13日

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