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新技術の芽探る村田製作所、半導体スタートアップに出資

村田製作所はカナダの半導体スタートアップ「ハイラ・テクノロジーズ」(モントリオール市)に出資した。IoT(モノのインターネット)センサーなどの無線通信の消費電力を大幅に削減するシステムオンチップ(SoC)の開発を支援する。米大学などとの出資総額は合計1035万ドル(約15億円)。村田製は主力事業である電子部品・モジュールに関わる新技術の芽を探る。

村田製のほか、米スタンフォード大学や現地ベンチャーキャピタル(VC)ファンドなどが出資した。村田製の出資額は公表していない。

ハイラ・テクノロジーズはスタンフォード大学発スタートアップのファブレス半導体メーカー。電力効率の高い無線周波数(RF)通信SoCの実用化を目指し、2019年に設立した。Wi―Fi(ワイファイ)など既存の通信網に対し、電波の反射を用いる後方散乱(バックスキャッタ)技術を適用する技術を開発。実現すれば超低消費電力の無線通信が可能となり、多様な産業での利用が見込まれるという。

村田製は主力事業である電子部品・モジュール事業で、技術的に目指す方向性が近いと判断した。米子会社ムラタ・エレクトロニクス・ノース・アメリカ(ジョージア州)を通じて出資した。

村田製では新技術の獲得を狙って、北米や欧州、イスラエル、中国、東南アジアの企業などの技術動向を調べる専門チームを世界各地に配備。協業や連携、M&A(合併・買収)先となる企業の発掘を進めている。今回の出資もその一環で、過去にはスマートフォンの消費電力を削減する技術を持つ米イータ・ワイヤレス(マサチューセッツ州)を21年に買収するなど、成果を上げている。


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日刊工業新聞 2023年12月12日

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