前橋国際大が26年度開設、“フードテック” 新学部の狙い
共愛学園前橋国際大学は「デジタル・グリーン学部」を2026年度に新設する。情報・デジタルと食・環境をつなぐフードテックなどを学べるようにする。文部科学省が新設した基幹教員制度を用いIT企業の社員らを教員として採用し、専門的な知見を持つ人材を育てる。文系単科大学からの転身で、地域ニーズに対応しやすくする。
共愛学園前橋国際大学は現在、国際社会学部のみで1学年の定員は約300人。これを250人に減らし、デジタル・グリーン学部を同100人で新設する。文科省への設置認可申請を24年度に予定している。
同大は学生の9割が群馬県内出身者で、就職も8割が同県内。群馬県は食品産業の規模が大きい。前橋市は国のデジタル田園都市国家構想と連動し「デジタルグリーンシティ」構想を推進中だ。
同大はこうした状況を踏まえてデジタル・グリーン学部のカリキュラムを構築。食の6次産業における脱炭素、センサーの技術やデータを使った農業「インターネット・オブ・プラント」や酒造りの匠の技の再現などで、新学部の卒業生が地域社会に貢献できると見る。
教員の採用では、文科省が大学設置基準改正で設けた基幹教員制度を導入する。主要科目の担当が8単位以上などの条件で、別組織に所属する人を設置基準上はその大学の教員としてカウントできる仕組みだ。
今回は企業人や自治体関係者をクロスアポイントメント(複数組織との雇用契約)で活用し、IT企業の社員などに教員として活躍してもらう。学生は現場経験に基づく講義を受けられ、大学は教員の人件費を抑制できるメリットがある。
日刊工業新聞 2023年11月30日