トヨタがデンソー株の一部を売却する背景
2900億円規模
トヨタ自動車は29日、同社が保有するデンソー株の一部である約1億2486万株を売却すると発表した。売却金額は約2900億円規模で、保有比率は24・2%から20・0%になる見込み。また、豊田自動織機とアイシンもそれぞれが保有するデンソー株を売却する方針を公表した。各社は売却で得た資金を車の電動化やソフトウエアの強化、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)など成長領域に投じる。
トヨタではデンソーをはじめとしたトヨタグループ各社と時代に即した事業や資本関係のあり方を協議してきた。今回、資産効率の向上と企業経営の最適化などの観点から、株保有に関する基準について、デンソーと合意。緩やかな連携が個社やグループの競争力強化につながると判断した。
トヨタではデンソーだけでなく、トヨタグループ各社と資本の持ち方・比率について協議しており、個別の事情を配慮しながら、株式の保有率を20%程度にする方針。
豊田自動織機はデンソー株約1億1978万株を売却すると発表。売却金額は約2800億円規模で、保有比率は9%から6%になる見込み。アイシンは同社が保有するすべてのデンソー株約5017万株を売却する。
各社はグローバル市場での長期的な成長に向け、戦略上必要な株式を保有しつつ、多様な企業との技術連携や取引関係を構築する。
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日刊工業新聞 2023年11月30日