オカネツ工業が農機自社ブランド拡充へ投入、AI搭載「遠隔草刈り機」の性能
オカネツ工業(岡山市東区、和田俊博社長)は、農業機械などの自社ブランド事業を強化する。2024年春に遠隔操作可能な草刈り機を市場投入するほか、設計開発機能強化のための専用棟を本社敷地内に25年末までに新設する。現在、売上高に対する自社ブランドの割合は約1%にとどまる。そのため製品拡充により25年度に5%に引き上げ、将来は30%を目指す。
24年に発売予定の草刈り機はリモコンを使って人が遠隔から運転を操作する。草刈り用に特殊な刃を採用し、背丈の高い雑草も粉砕しながら刈り取る。加えて人工知能(AI)の搭載により、人や障害物を認識すると自動停止する機能も備えた。軽トラックに搭載可能なサイズと重量で、消費税込みの価格は190万円を予定する。
新発売の草刈り機は7馬力のエンジンを搭載するが、今後はモーターと組み合わせたハイブリッド(HV)型やモーターのみで駆動する電動型の製品投入も計画する。少子高齢化の進展などにより、草刈り機の需要はあると見ており、自社ブランド製品の柱の一つに育てる。現在、自社ブランド製品は電動型の小型耕運機や小型運搬車、デザートマシンなどを展開している。
オカネツ工業は農業機械や建設機械などの部品加工、組み立てなどが主力事業で、23年3月期の売上高は約142億円。本社周辺の土地を確保し、総額約40億円を投じて25年末までに本社工場を再編する計画で、本社棟や設計開発機能を強化するため新たに設計開発棟も建設する。
日刊工業新聞 2023年11月20日