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JALが通常フライトで実証実験、飛行時の燃費改善する「リブレット加工」とは?

JALが通常フライトで実証実験、飛行時の燃費改善する「リブレット加工」とは?

機体にマスキングを施し、長方形に区切った区画の中に微細な溝構造のリブレット形状を形成する

日本航空(JAL)は、飛行時の抵抗を減らして燃費改善を図れる表面加工(リブレット加工)を施した機体を使い、通常フライトで実証実験を始める。ボーイング737―800型機の国内線機材1機の胴体下部に約25平方メートルの大面積施工を完了した。実証実験で耐久性や美観性、燃費改善効果を確認し、2024年度以降に国際線機材に施工する。

リブレット加工は、機体の外板に空気の流れに沿って深さ50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の微細な溝構造を形成したもの。水の抵抗を軽減するサメ肌を参考に開発された。JALは22年から宇宙航空研究開発機構(JAXA)やオーウエルと、約60平方センチメートルに加工を施した機体で飛行実験を行ってきた。十分な耐久性を確認できたため、大面積で検証を始める。

同加工では、まず水性塗料で微細な溝構造の型をつくる。機体の表面に既存塗料を塗り、その上に型を重ねて既存塗料に溝構造を転写する。水で洗って水性の型を洗い流すと、既存塗膜上に溝構造が残る仕組みだ。

加工時の最適な温湿度条件の調査や専用道具の開発、作業者のトレーニングを行い、大面積化を実現した。

日刊工業新聞 2023年11月15日

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