自動車内装が主力の五和製作所、CO2半減へ本社移転
五和製作所(愛知県豊田市、安藤尚司社長)は、2024年5月、豊田市花本町に自動車部品を塗装、洗浄する新工場を稼働し、併せて本社機能を現在の同市勘八町から移転する。同社は25年に本社工場の二酸化炭素(CO2)排出量を19年度比で半減する目標を掲げ、新本社稼働でCO2削減を加速する。また本社工場設備の老朽化更新も迫られていることから、新工場に一部生産分を移管する。総投資額は約20億円。
来年5月の稼働を控える新本社工場五和製作所は自動車の内装、エンジン部品の塗装と洗浄が主力。現在、国内は本社工場のほか福岡県と岩手県、さらに米インディアナ州とケンタッキー州に塗装工場を持っている。新工場では現本社工場で行っている電着塗装部門と、プレスメーカーなどから受注している洗浄部門を稼働させる。現在、本社工場にいる140人のうち90人が移る。
新本社工場は工場の延べ床面積が約5800平方メートル、事務所が約470平方メートル。400キロワットの太陽光パネルを導入し、工場の消費電力を上回る発電量を確保する。また工場内で使用するフォークリフトも全量、バッテリー式に入れ替える。
同社はこれまでコンプレッサーを削減したり、蒸気ボイラを廃止したりして省エネルギー活動を推進してきた。エネルギーコストが上昇する中、新工場稼働を機に省エネ設備の導入を加速する。
また今後は、電着塗装や洗浄部門の受注量の増加が予想されるため、新工場で生産能力を備え、収益力を確保する。
日刊工業新聞 2023年11月16日