建設現場の3K改善…竹中工務店が開発、移動式「現場事務所」の機能
竹中工務店は建設現場の工事事務所として使える「けん引式オフグリッド型モバイルハウス」を開発した。現場内を自由に移動することで、生産性向上と執務環境の改善につなげる狙い。大阪・関西万博工事で試験導入を始めた。効果を検証した上で、移動式工事事務所や作業員の休憩所(熱中症対策室)として活用していく計画だ。
公道走行時は別のけん引車によって移動する。既設の電源や通信設備、電力などのインフラがない場所でも、ソーラーパネルと蓄電池、制御機器からなる自立電源システムと衛星インターネット(スターリンク)の搭載によって自立通信できる。
ソーラーパネルで発電した電力は蓄電池に充電され、モバイルハウス内の空調設備や事務機器などに必要な電力の供給が可能。市販の駆動装置(ムーバー)を装備し、工事敷地内ではリモコンによって低速移動できる。
広大な敷地内で新開発のモバイルハウスを活用することにより、建設現場に従事する作業員の移動を効率化できる。3K(きつい・汚い・危険)と言われる建設工事の執務環境の改善にもつながる。
日刊工業新聞 2023年11月16日