東京電力ホールディングス（ＨＤ）は１５日、東京・内幸町の本社地区再開発事業で建設する高層ビルの外壁面に、積水化学工業が開発したフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置すると発表した。発電容量は定格で１０００キロワット超を計画しており、ペロブスカイト太陽電池によるメガソーラー発電を実装した高層ビルは世界初になるという。

従来の太陽電池は耐荷重や風圧への対応、高額な更新コストなどの課題があり、高層ビルでの設置が進んでいない。これに対し、次世代の太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の「薄い」「軽い」「曲げられる」といった特徴を生かした新たな設置方法を考案したことで、技術的・経済的な課題を解決できると判断した。

内幸町一丁目街区再開発プロジェクトは、日比谷公園に隣接した都心最大級の延べ床面積１１０万平方メートルの地域を再開発する。帝国ホテル新本館と３棟の超高層ビルで構成し、このうち東電ＨＤ本社ビルが敷地の一部を占める南地区に建設予定の「サウスタワー」（地上４６階）に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置する。同タワーは２０２８年度に竣工する予定だ。

同再開発プロジェクトは二酸化炭素（ＣＯ２）排出量実質ゼロに加え、ＣＯ２を吸収する技術の導入により、ＣＯ２排出量を実質マイナスとする「カーボンマイナス」を目標に掲げる。南地区の再開発は第一生命保険、中央日本土地建物、東京センチュリー、東京電力パワーグリッド、および東電不動産が出資するＴＦ内幸町特定目的会社が進めている。