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三洋化成工業がSAPの減産に踏み切った背景事情

三洋化成工業がSAPの減産に踏み切った背景事情

三洋化成工業の名古屋工場

三洋化成工業は名古屋工場(愛知県東海市)で高吸水性樹脂(SAP)の減産に踏み切った。同工場にあるSAP生産設備2ラインを1ラインに統合。同工場の年間約11万トンの生産能力は半分程度になると見通し。日本を含むアジア圏での販売数量の減少が要因とみられる。需要が回復次第、生産能力は元に戻す。

10日、本社で開催した決算説明会で樋口章憲社長が明らかにした。同社はSAPを子会社のSDPグローバル(東京都中央区)の名古屋工場と、中国、マレーシアを合わせて、年間約42万トン生産している。

SAPは市況の悪化に加え、「中国で競合の品質が当社の製品レベルに近づいてきている」(樋口社長)と、世界的にも競争環境が激化している。樋口社長は収益性の改善に向けて、「(生産の合理化などに向けて)国内外の企業とのLLP(有限責任事業組合)構築も一案」と述べた。

日刊工業新聞 2023年11月11日

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