高さ5.3mまで収納…シャープがロボット搬送の倉庫システム開発
シャープは最大で高さ5・3メートルまで収納できる「ロボットストレージシステム」を開発した。コンテナを格納する専用棚を倉庫の天井高に応じて設計し、上部の空間を有効活用する。専用棚に対応した自動搬送ロボット(AGV)が上下に伸びたフレームを使い、高所でも安定して移送できる。独自の集中制御システムで最大500台のAGVを一元管理する。価格は未定だが、2024年度の発売を目指す。
AGVは5・3メートルの高さでもぐらつきを抑えてコンテナを取り出し、作業者のもとへ運搬する。フレームは3・6―5・3メートルで伸縮可能で、防火シャッターや梁(はり)など空間が低い一部の場所もくぐり抜けられる。
作業者は移動が不要になり、業務効率向上と負担軽減につながる。人為的ミスの抑制も期待できる。在庫量に応じた柔軟な管理もしやすい。実用化に向け、効率的な保管場所を指示・管理するソフトウエアの改良を進め出庫能力の最大化を図る。
シャープは物流量の増加や人手不足、24年4月からのトラック運転手の時間外労働制限といった物流業界の課題を踏まえてロボットストレージシステムを開発した。
日刊工業新聞 2023年11月08日