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京セラが電動工具生産の一部を中国から移管する狙い

京セラが電動工具生産の一部を中国から移管する狙い

京セラドキュメントソリューションズのベトナム工場

京セラは2024年度中にも、中国での電動工具生産の一部をベトナムに移管する。主に米国向け製品をベトナムの複合機工場で生産する。24年度に欧米市場に電動工具を投入する計画で、生産移管により、中国から米国へ輸出する際に課される多額の関税を回避する狙い。異なる事業間での連携を強化することで、それぞれの経営資源を有効活用し、グループとしての相乗効果を高める。

京セラで電動工具事業を手がける京セラインダストリアルツールズ(KIT、広島県福山市)は、リョービから18年に買収した同事業が前身。24年度からKITの電動工具の生産を始めるのは、複合機やコピー機を手がける京セラドキュメントソリューションズ(KDS、大阪市中央区)のベトナム工場で、同社は業種の壁を越えてグループ内で最適地生産を進める。

ベトナム生産は米国へ輸出する際の関税対策になるほか、労務費などが中国より格段に安く生産コスト削減効果も期待できる。KITは中国の大連市に生産拠点を持つが、今後の需要増に対応するため、一部製品のKDSベトナム工場への移管に踏み切ることにした。

京セラの電動工具事業は国内を中心にチェーンソーや芝刈り機、インパクトドライバー、ドリルなどの製品を展開しており、国内シェアはマキタ、工機ホールディングスに次ぐ3番手グループ。

リョービから事業を取得して以降、京セラブランドへの切り替えも終えたことで、今後は海外販売を本格化する方針。25年度までに電動工具を含む機械工具事業で、22年度比約13%増の売上高3500億円を計画している。

日刊工業新聞 2023年11月08日

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