ヘリウム回収装置を生産、石亀工業が本社工場拡張
石亀工業(愛知県安城市、神谷英之社長)は、このほど本社工場を拡張し、新たにヘリウム回収装置の生産を始めた。同社は自動車部品メーカー向けにヘリウムのリークテスターを生産している。新たに回収装置も生産し、テスターとセット供給を狙う。1号機を12月までに完成、出荷する。
石亀工業はリークテスターのほかパレタイジング装置などを自動車部品生産ライン向けに開発、生産している。ヘリウムのリークテスターはエンジン、ミッション関連の気密性を検査するものとして年間5―10台の供給体制を整えている。
検査工程で使用されるヘリウムは廃棄されることが多いが、価格が高騰しており、検査後のヘリウムを回収し、再利用を検討する部品メーカーが増えつつある。
同社は2023年初にヘリウム回収装置の開発チームを組織し、開発担当者ら5人で実用化に取り組んできた。新たに本社工場に増設したスペースは250平方メートル。DMG森精機の5軸マシニングセンター(MC)のほか3次元測定器、検査装置などを導入。現在、回収装置のテスト機を完成し、最終検査を実施している。今後は自社開発のリークテスターとセットで供給することで部品メーカーのコスト低減に貢献する。
日刊工業新聞 2023年11月06日