アジアを中心とする技術系スタートアップが社会課題の解決につながるビジネスアイデアを競う「アジア・アントレプレナーシップ・アワード２０２３」（ＡＥＡ２０２３）が１０月２６日にオンラインで開催され、高性能冷却塗料を開発する香港の「I2Cool Limited」が優勝した。「ライフサイエンス・ヘルスケア」「モビリティ」「環境・エネルギー」「サステナビリティ」に関連したソリューションを持つアジア各国・地域の10社がファイナリストとして参加した。

優勝した「I2Cool Limited」は、サハラ砂漠の蟻の皮膚から着想を得た、太陽光の反射と熱放射に優れたテクノロジーを使った高性能冷却塗料を開発する。電気やオゾン層を破壊する冷媒を必要としないため、省エネと脱炭素化へ貢献する。建築や物流、自動車など多様な産業で適用可能という。

準優勝は日本の「Yanekara Inc.」。太陽光エネルギーで電気自動車（EV）に電力を供給し、同時に蓄電できるV2HのEV充電器「YaneBox」を開発する。従来よりも安価で軽量、効率が高くエネルギー損失を最小に抑えられるという。Yanekara Inc.は柏の葉スマートシティ（千葉県柏市）における事業実証のサポートが受けられる「柏の葉賞」も受賞した。

3位は患者や医療従事者の快適性や利便性、効率性を追求した4Dプリントギプスを開発する「Castomize Technologies Pte. Ltd.」だった。