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三菱自動車が通期予想を上方修正した背景

三菱自動車は30日、2024年3月期連結業績予想を上方修正したと発表した。売上高は7月公表比700億円増の2兆8500億円(前期比15・9%増)、営業利益は同300億円増の2000億円(同5・0%増)を見込む。修正は為替の円安効果によるところが大きい。一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の需要回復遅れなどにより、24年3月期通期の販売台数計画は7月公表比4万9000台減の86万8000台(同3万4000台増)に引き下げた。

三菱自動車(4-9月期)

通期の為替レートは7月公表の1ドル=131円から同139円に変更した。松岡健太郎副社長は「年明けに向け円高に振れることが想定されるため保守的に設定した」と説明。為替が現行の同150円近い水準で推移すれば通期の営業利益は数百億円程度上振れる可能性がある。

23年4―9月期連結決算は営業利益が前年同期比23・1%増。東南アジアの販売下振れや、輸送費、原材料価格の上昇といった減益要因があったが、中南米・中東・アフリカ、北米の販売増や、販売価格や商品構成の改善などで補った。生産撤退する中国関連の損失について、加藤隆雄社長は「基本的には出し切った」と述べた。

日刊工業新聞 2023年10月31日

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