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容量3-5倍期待の「リチウム硫黄電池」、金白金ナノ粒子で寿命延長に成功

容量3-5倍期待の「リチウム硫黄電池」、金白金ナノ粒子で寿命延長に成功

研究の概要(東京理科大学提供)

東京理科大学の根岸雄一教授とサイカット・ダス助教らは、金白金ナノ粒子(ナノは10億分の1)を用いてリチウム硫黄電池の寿命を延ばすことに成功した。セパレーターにナノ粒子を配置し、リチウムや硫黄が反対側の電極に移ることを防ぐ。実験では1充放電サイクルでの容量低下を0・041%に抑えられた。高エネルギー密度電池の開発につながる。

リチウム硫黄電池はリチウムポリサルファイド(LiPS)が生じて電極間を行き来して容量が減る課題があった。そこで電極を分けるセパレーターに金白金ナノ粒子をグラフェン担持した複合材を利用した。セパレーター上で酸化還元反応を起こしてLiPSの電極間移動を抑え、長寿命化する。

1000サイクルの充放電実験では1サイクルの容量低下率を0・041%に抑えられた。リチウム硫黄電池はリチウムイオン電池(LiB)の3―5倍の容量が期待されている。


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日刊工業新聞 2023年10月19日

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