JR東日本が展開するWaaS共創コンソーシアムとイノベーションへ向けた取組み
Well-beingな社会の実現に向けて、移動×空間価値の向上を目指すオープンイノベーションプラットフォーム「WaaS共創コンソーシアム」の活動が進んでいる。本コンソーシアムはJR東日本が設立したプラットフォームであり、会員である約120社・団体が様々な実証実験を実施、さらに社会実装のフェーズへとあゆみを進めている。国内でも類をみない民間事業者主体のコンソーシアムの展開と、JR東日本が展開するイノベーションへの取組みを紹介する(全4回)。
少子高齢化と人口減少、気候変動等に起因する様々な社会課題が顕在化する中、それらの解決には1社単独の取組みでは難しいのが実情である。あらゆる産業や国に対応が求められており、JR東日本もイノベーションを通した活動を継続してきた。
例えば、CO2排出量実質ゼロを目指した水素をエネルギー源とするハイブリッド(燃料電池)試験車両の開発や世界最大の鉄道ビックデータと災害・気象・交通・施設のデータ を丸ごと乗せた究極のデジタルツインプラットフォーム(JEMAPS)等である。技術開発やデータ利活用等の分野において、社会インフラを支える重要な技術であり、その他にも多数の技術開発を手掛けている。
オープンイノベーションプラットフォームとしてのWaaS共創コンソーシアム
JR東日本はオープンイノベーションプラットフォームの構築による社会課題への対応も推進してきた。
2016年に「技術革新中長期ビジョン」を策定、このビジョンに基づき、2017年にはオープンイノベーションによるモビリティ分野の変革を目指した「モビリティ変革コンソーシアム」が設立された。1社では解決が難しい社会課題に対応するため、約130社・団体の会員による様々な実証活動が展開された。2023年3月の活動終了まで、累計33テーマが検討され、うち6件が実装フェーズまで進んだ。
この活動をさらに発展させ、モビリティ変革コンソーシアムで得られた知見・場・関係性をもとに、より広範な領域においてWell-beingな社会の実現を目指すWaaS共創コンソーシアムが2023年4月、活動を開始した。WaaS®とはWell-being as a Serviceの略語であり、モビリティ変革に留まらない社会課題の解決を目指すコンソーシアムの世界観として再定義したものである。
WaaS共創コンソーシアムでは12のテーマが活動中であり(2023年10月時点)、モビリティ変革コンソーシアムでの活動を含め、第2回以降の記事でそのいくつかを紹介したい。
WaaS共創コンソーシアム Webサイト:https://www.jreast.co.jp/jrewcc/