トヨタが受注開始、「クラウン」新型SUVの特徴
トヨタ自動車は旗艦モデル「クラウン」の新型スポーツ多目的車(SUV)「クラウン スポーツ=写真」の受注を開始した。まずハイブリッド車(HV)を11月ごろに発売する。プラグインハイブリッド車(PHV)は12月ごろの発売を予定する。堤工場(愛知県豊田市)で生産する。HVのメーカー希望小売価格は590万円(消費税込み)。月間700台の販売を見込む。
トヨタは高いブランド力を持つ代表車種で車型ラインアップを広げ、顧客層の拡大につなげる「群戦略」を進めている。2022年7月にクラウンの新型車を計4車種展開すると公表。第1弾として同年9月にセダンとSUVの要素を併せ持つ「クロスオーバー」を発売した。スポーツは第2弾となる。残り2車種のうち「セダン」は11月ごろ、ワゴンSUV「エステート」は23年度内の発売を予定する。
スポーツは車体後部のピラーからリアタイヤにかけてボディーが大きく張り出した外装デザインが特徴。デイランプのレンズ幅を薄くするなどして俊敏性を表現した。内装では乗員の会話が伝わりやすくするため室内音を反射する「調音天井」をトヨタで初採用した。全長4720ミリ×全幅1880ミリ×全高1565ミリメートル。燃費は1リットル当たり21・3キロメートル(WLTCモード)、総排気量は2487cc。
自動車のサブスクリプション(定額制)サービスを手がける子会社のKINTO(キント、名古屋市西区)でもスポーツの取り扱いを始めた。HVの月額利用料は6万6550円(消費税込み)から。現状の納期のめどは2―4カ月の見込み。
スポーツの発売に併せ、クラウン専門の店舗「THE CROWN」を神奈川県と福岡県に開業した。23年度内に愛知県、24年度に千葉県と東京都にも開業し、計5店舗の展開を予定。クラウンの全モデルを展示し、同店舗のみで購入可能な特別仕様車も用意する。
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