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マツダ「ロードスター」大幅刷新・値上げ、初採用する技術とは?

マツダ「ロードスター」大幅刷新・値上げ、初採用する技術とは?

大幅改良する「ロードスター」。先進安全技術を採用

車間距離を自動調整

マツダは5日、小型オープンスポーツ車「ロードスター」を大幅改良し、2024年1月中旬に国内で発売すると発表した。原材料高騰も反映し、従来モデル比で価格を6―8%程度引き上げる。ロードスターとしては初めて、設定した車速内で車間距離を自動調整・維持する先進安全技術を採用。安全性を高めつつ、運転手の意図した通りに車が動くような「人馬一体の走り」を実現した。デザイン面も大きく刷新。消費税込みの価格はソフトトップ(ほろ)モデルが289万8500円から。月500台の販売を目指す。

同安全技術「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」の搭載は、電気・電子プラットフォームを刷新し、最新のミリ波レーダーを装着することで実現した。従来モデルはデザイン上、ミリ波レーダーを付けられなかった。安全への配慮ではほかに、後退中に車の左右や後方に接近する車両を検知する「スマート・ブレーキ・サポート」機能を搭載した。

加速・減速時のディファレンシャルギア(差動装置)の差動制限力を変化させ、車の旋回挙動を安定させる新技術を採用。軽やかで正確な操舵(そうだ)感を出すため、ステアリングシステムも改良した。

ヘッド、リア、ターンランプなど全てのランプを発光ダイオード(LED)化し、シャープな光の質感を持たせた。機能性と軽さを重視した16インチホイールと、華やかで大きく見えるデザインの17インチホイールを用意し、グレードごとの個性を際立たせた。

89年発売のロードスターは世界で約119万台、国内で約22万台を販売した。現行の4代目は発売9年目。コロナ禍以降、消費者の趣味に対するお金の使い方が変わったことなどを背景に、同8年目だった22年は過去最高の販売台数を記録した。50代男性が最も多く購入しているが、機能やデザインの進化で若年層にも訴求する。


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日刊工業新聞 2023年10月06日

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