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1万5000kw級「洋上風車」の建設に対応、戸田建設などが中古SEP船を調達する狙い

1万5000kw級「洋上風車」の建設に対応、戸田建設などが中古SEP船を調達する狙い

会見した戸田建設の大谷社長(右から3人目)らJWFC参加企業の関係者

戸田建設など6社は3日、大型風車の基礎施工などが可能な自己昇降式作業台船(SEP船)についてシンガポールの「TERAS SUNRISE」(テラス・サンライズ)と調達契約を結んだと発表した。再生可能エネルギー事業の中で市場拡大が見込まれる洋上風力発電設備の建設工事を担うため、6社の技術力や知見を結集する。テラス・サンライズから調達した中古SEP船を改修し、安価に提供する。2025年9月以降をめどに稼働させる予定。

調達契約の締結に先立ち、6社は洋上風力施工船舶の保有などを目的に「Jack―up Wind Farm Construction」(JWFC、東京都中央区)を設立した。出資企業は戸田建設のほか、熊谷組、西松建設、若築建設、岩田地崎建設(札幌市中央区)、吉田組(兵庫県姫路市)。

調達するSEP船は、1万5000キロワット級の大型洋上風車の建設に対応可能。引き渡しに向けて現在、補修工事を行っており、1300トン吊クレーンを搭載する計画だ。25年にクレーン搭載工事を完了させた後、日本にえい航予定。

JWFCの幹事会社として同日会見した戸田建設の大谷清介社長は「地球温暖化の課題に真摯(しんし)に向き合い、同じ目的を持った6社がともに努力し、協力することにより持続可能な未来を創造する一翼を担いたい」と強調。連携を通じて再生可能エネルギーの普及促進を進める考えを示した。

日刊工業新聞 2023年10月04日

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