電力源はトヨタ製、コベルコ建機が水素燃料電池ショベル試作車を開発した狙い
コベルコ建機は27日、水素を駆動源とした燃料電池式ショベルの試作車を開発し、主力拠点の五日市工場(広島市佐伯区)で稼働評価試験を開始したと発表した。これと並行して電動ショベルの開発も進め、2025年中に欧州市場向けにバッテリー式のミニショベルと5トンクラス以上の小型重機ショベル、国内市場向けに有線(トロリー)電動式のクローラークレーンをそれぞれ投入する。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)推進の取り組みとして、顧客向けにさまざまな選択肢を提案する。
開発した水素燃料電池式の試作車は13トンクラスで、電力源にトヨタ自動車の燃料電池ユニットと水素タンクを搭載する。
水素燃料電池、電池式、トロリー式とさまざまな手段で開発を進めるのは、電動ショベル駆動源のリチウムイオン電池(LiB)が高価なことに加え、ショベルを動かすにはパワー不足で充電インフラも整っていない背景がある。水素燃料電池も同様にインフラ問題を抱えており、交通不便な場所や都市部など建機が稼働するさまざまな現場に応じて最適な機種を提案する。
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日刊工業新聞 2023年09月28日