作業員4人削減、積水化学が住宅内壁の取り付け工程自動化
積水化学工業はユニット住宅の生産工場で、内壁の取り付け工程を自動化する。セキスイハイム工業(埼玉県蓮田市)東京事業所(同)に、石こうボードに穴を開けピッキングする装置とボードを木枠に固定し運搬・管理するラインを導入した。投資額はそれぞれ数千万円規模で、計1億円弱とみられる。導入によりピッキングや加工工程の作業員を4人削減した。2028年ごろまでに完全自動化し、さらに4人の省人化を目指す。
従来、内壁の施工は木枠や断熱材、石膏ボードをユニット内で人の手で固定し、設備機器を取り付ける際に換気口やコンセント用の穴を石こうボードに開けていた。今回ボード加工とピッキングを行う設備を生産ラインとは別の建屋に設置した。住宅の設計データを基に、穴開け加工と取り付け順にボードを並び替える作業を自動化した。
ユニットや物件ごとに用意した石こうボードを生産ラインのある建屋に運び、導入した設備で全面を固定する。断熱材の取り付け作業が容易になるよう内壁の向きを変え、木枠・ボード・断熱材が一体になった状態でラックに一時的に保管する。作業者がユニットに内壁を取り付ける際、次に取り付ける内壁がどこにあるかをランプやモニターで示し、施工を補助する。
木枠・ボード・断熱材を一体化するラインは、近畿事業所(奈良市西九条町)と中部事業所(愛知県豊橋市)にも導入した。現在、内壁の取り付け工程のうち自動化できているのは約4割。今後本社の設計部門と連携してユニットや内壁の構造自体の見直しも視野に入れ、完全自動化を目指す。
日刊工業新聞 2023年09月27日