トヨタ、今年の世界生産1020万台に…部品不足が緩和
トヨタ自動車が2023年暦年(1―12月)の世界生産を約1020万台にする計画を固めたことが分かった。当初は1060万台を基準台数とし、1割程度の下振れの可能性を示していたが、足元では半導体不足の緩和などから好調な受注が続く。新たに修正した計画は当初比3・8%減で、小幅な見直しに留まった。国内生産はサプライチェーン(供給網)の維持に不可欠だとしている300万台を維持する。
30日までに主要一次部品メーカーに伝えた。トヨタと高級車ブランド「レクサス」を合わせた生産台数で、内訳は国内が約340万台、海外が約680万台。電気自動車(EV)シフトが急加速している中国で生産が減少しており、この影響を盛り込んだようだ。ただ過去最高だった19年の905万台を超える計画で、計画通りに進めば、トヨタ・レクサスブランドで生産台数が1000万台を超えるのは初めてとなる。
24年と25年の暦年の世界生産台数見通しについても、それぞれ約1070万台、同1100万台との方針を示した。国内生産は約350万台としており、拡大する計画だ。
コロナ禍からの回復や半導体不足の解消が進み、足元の受注は好調。特に脱炭素化の流れを受けてハイブリッド車(HV)を中心に販売を伸ばしている。トヨタは中期の方針として新興国での販売台数増を見込んでおり、この戦略に伴い、増産体制を整える考えだ。ただ部品各社では人手不足などの問題が顕在化しており、計画実現には供給網一体となった対応が必要となる。
【関連記事】 トヨタグループも頼りにする異能の変革集団
日刊工業新聞 2023年08月31日