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14km先に光給電…NTTと北見工大が世界最高の伝送性能達成

14km先に光給電…NTTと北見工大が世界最高の伝送性能達成

マルチコア光ファイバを用いた光給電システムの概要 (北見工大提供)

NTTアクセスサービスシステム研究所と北見工業大学は29日、光ファイバーで14キロメートル先に光給電し、世界最高の伝送性能を達成したと発表した。光ファイバーで電力を届け、その電力で通信装置を動かして毎秒10ギガビット(ギガは10億)の双方向通信を運用する。電源のない地域での通信確保や災害対応などへの応用を見込む。

4本のコアを含むマルチコア光ファイバーで14キロメートル先に光を送る。通信信号は波長1310ナノメートル(ナノは10億分の1)の光、給電は1550ナノメートルの光を使い分ける。給電光は光電変換器で電力に換わり、受信機や送信機を稼働させる。実験では1本の光ファイバーで二つの送受信システムを運用できた。光ファイバーの戻り光を抑えて出力を3割ほど向上させた。14キロメートル先で約1ワットの電力を得られ、毎秒10ギガビットの伝送速度を実現。これは一般向け光通信サービスの最高値と同等になる。

強電磁場や腐食による電化困難地域や河川、山間部などの非電化地域で通信を確保できるようになる。災害対応では電源が回復する前に通信装置を遠隔駆動し、状況把握などに活用できる。

日刊工業新聞 2023年08月30日

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