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メッキ加工会社が投入するチタン製弁当箱が美しい

メッキ加工会社が投入するチタン製弁当箱が美しい

陽極酸化処理で七色のグラデーションにする途中のチタン製弁当箱

新和メッキ工業(新潟県上越市、滝見直晃社長)は、チタンに陽極酸化処理で色付けした弁当箱を9月に発売する。同社のBツーC(対消費者)ブランドとして2021年から展開する「イロイロ」の第5弾として先行予約を始めた。消費税込みの価格は1万8480円。毎月10個ほど販売する。同ブランドは電子商取引(EC)サイト経由の販売が多い。製品の種類を増やし実店舗など販路を広げる。

弁当箱は曲げわっぱ形の「Wa」と丼ぶり形の「Don」の2種類。厚さ1ミリメートルのチタン板をへら絞りで曲げて器にした。色は新和メッキ工業が得意な陽極酸化処理で付ける。標準色として「胡桃(くるみ)」「若葉」「薄桜」のほか、七色がグラデーション状の「イロイロ」を用意した。円筒形の「Wa」のサイズは幅128ミリ×高さ62ミリメートル、容量695ミリリットル。

素材のチタンは、日本製鉄が上越市内で生産する意匠性の高い「トランティクシー」を使う。これまでに定規、皿型プレート、おちょこ、盾型トロフィーを発売した。へら絞りによる簡素な形状と鮮やかな発色が好評で、リピート購入者が増加中という。

滝見社長は「従業員やその家族にもブランドの認知が広がり、仕事への士気が高まっている」という。同社では電気代高騰などを受け、利益率の低い受注の見直しに着手。22年12月期はブランドの収益増もあり黒字を確保したという。

同社は1961年に設立。メッキ加工を手がけ、民生品、農機具、ガス機器、建設機械などの多岐にわたる部品を扱う。22年12月期売上高は1億8000万円。従業員は13人。

日刊工業新聞 2023年08月25日

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