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アイシンが電動ユニット新ライン、2億ドル投資で月産3万台

アイシンが電動ユニット新ライン、2億ドル投資で月産3万台

アイシンの北米拠点「アイシンノースカロライナコーポレーション」

アイシンは自動変速機(AT)や駆動用モーターを一体にした電動ユニットの生産ラインを米ノースカロライナ州の工場に新設する。投資額は2億ドル(約280億円)。発電用と駆動用のモーターを使い分けることでエンジン効率を最適化する「2モーターハイブリッドトランスミッションシステム」の製造ラインを2本構築する。米国でのハイブリッド車(HV)などの需要増に対応する。生産開始は2025年4月を予定し、月産3万台を計画する。

新ラインは米現地法人のアイシンノースカロライナコーポレーション(ANC)の生産拠点に設置する。比較的容量の大きな2モーターハイブリッドトランスミッションを生産する見込み。同変速機は国内では田原工場(愛知県田原市)や安城第2工場(同安城市)で生産している。

米国に新設するラインには日本の工場のノウハウを取り入れるほか、電動駆動装置「eアクスル」生産で培ったシンプルな組み立て方式や自動化など最新の生産技術を採用。作業者の習熟度に依存せず、品質を安定させる。より少ない空気で稼働する圧縮機などを導入し、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す。

2モーターハイブリッドトランスミッションは市街地など停止や加速、減速を頻繁に繰り返す場所でも高い燃費性能の発揮に貢献する電動ユニット。北米での生産はANCが初めて。後輪駆動(FR)向けの電動ユニットは、米アイシンテキサスコーポレーション(テキサス州)で生産している。


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日刊工業新聞 2023年08月15日

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