事務職から現場へ出る人も。「けんせつ小町」が集まる重機講習所とは?
建設現場で働く人材最前線(下)
「現場職としてレベルアップしたい」「今は事務職だが、重機も扱えるようになり会社に貢献したい」―。こんな意識の高い「けんせつ小町」が集まる教習所がある。
コマツグループのコマツ教習所宮城センタ(宮城県名取市)は、全国に17あるコマツ講習会場の中で唯一、女性専用コースを設けている。12年9月に開設。「車両系建設機械」「小型車両系建設機械」「フォークリフト」の三つの区分で導入している。14年度に約7900人が受講した同教習所において、女性は十数人。まだ数は少ないながらも「男性と混じって受講するのは恥ずかしい」と感じる女性や「事務職だが現場も知りたい」など意欲のある女性らが受講している。埼玉県など県外から学びにくる女性もいるほどで、ホームページや口コミを中心に受講生は年々増えている。
教習所には女性が安心して受講できる体制が整っている。女性専用更衣室などの整備はもちろんのこと、受講のハードルを下げるために女性専用コースのみ無償実践コースを提供するほか、フォークリフト講習をできるだけ屋内で行ったり、必要に応じて託児所を開き、専門の保育士を準備したりするほどだ。受講生の多くが現場職でスキルアップしたいという女性だが、これから働きたい主婦や、建設業界で事務職や営業職として働いていた女性が、現場にも出られる人材を目指して受講するケースもある。
受講生の荒(あら)亜理沙さん(24)もそんな一人だ。
15年10月末から建設業界で事務職として働きはじめた。「最初は(重機に)興味がなかった」が、重機や重機を扱う女性現場職を見ているうちに「外にも出て力になれたら」と受講を決めた。女性専用コースの存在も受講を後押しした。「男性に混じると、男性の方が上手で焦ってしまう。女性だけなら焦らずできる」とほほえんだ。
女性コースの好評を受け、16年下期から「小型移動式クレーン」「玉掛け」の技能講習についても、女性専用コースを設ける計画だ。東日本大震災の爪痕も残る地域。宮川達弥宮城センタ所長は「復興の最前線で活躍してほしい」と期待を込める。
女性専用コース開設
コマツグループのコマツ教習所宮城センタ(宮城県名取市)は、全国に17あるコマツ講習会場の中で唯一、女性専用コースを設けている。12年9月に開設。「車両系建設機械」「小型車両系建設機械」「フォークリフト」の三つの区分で導入している。14年度に約7900人が受講した同教習所において、女性は十数人。まだ数は少ないながらも「男性と混じって受講するのは恥ずかしい」と感じる女性や「事務職だが現場も知りたい」など意欲のある女性らが受講している。埼玉県など県外から学びにくる女性もいるほどで、ホームページや口コミを中心に受講生は年々増えている。
教習所には女性が安心して受講できる体制が整っている。女性専用更衣室などの整備はもちろんのこと、受講のハードルを下げるために女性専用コースのみ無償実践コースを提供するほか、フォークリフト講習をできるだけ屋内で行ったり、必要に応じて託児所を開き、専門の保育士を準備したりするほどだ。受講生の多くが現場職でスキルアップしたいという女性だが、これから働きたい主婦や、建設業界で事務職や営業職として働いていた女性が、現場にも出られる人材を目指して受講するケースもある。
女性だけなら焦らずできる
受講生の荒(あら)亜理沙さん(24)もそんな一人だ。
15年10月末から建設業界で事務職として働きはじめた。「最初は(重機に)興味がなかった」が、重機や重機を扱う女性現場職を見ているうちに「外にも出て力になれたら」と受講を決めた。女性専用コースの存在も受講を後押しした。「男性に混じると、男性の方が上手で焦ってしまう。女性だけなら焦らずできる」とほほえんだ。
女性コースの好評を受け、16年下期から「小型移動式クレーン」「玉掛け」の技能講習についても、女性専用コースを設ける計画だ。東日本大震災の爪痕も残る地域。宮川達弥宮城センタ所長は「復興の最前線で活躍してほしい」と期待を込める。
日刊工業新聞日刊工業新聞2016年2月29日 特集面