学生の発想を研究に生かす、レゾナックが新価値創造へ東工大と共同研究開発
レゾナックが学生と連携した共同研究開発活動に力を入れる。東京工業大学のカリキュラムの一環として、学生に計算科学に関わる研究開発の職場体験学習に参加してもらう一方、学生の発想などを研究開発に生かせることを期待する。人工知能(AI)などを活用した計算科学は素材開発の効率化で重要性が高まっている。レゾナックは大学や学生とのコミュニケーションを密にすることで新たな価値創造につなげたい考えだ。
レゾナックは東工大物質・情報卓越教育院プラクティススクールで、東工大の学生9人を6月30日―8月10日の6週間受け入れている。26日はレゾナック共創の舞台(横浜市神奈川区)でレゾナック・ホールディングス(HD)の福島正人執行役員最高技術責任者(CTO)と東工大の学生8人によるラウンドテーブルなどを公開した。
福島CTOは学生の印象について「自分をどう成長させたいかなどで多様性があり、モチベーションが高い。思いもよらない答えに期待するし、こうした考え方に触れるだけでも研究者の成長につながる」と語った。その上で、「企業と大学側で何をポイントとして(研究開発などに)取り組むのかを話し合える環境づくりが重要だ」と述べた。
レゾナックは基礎化学品から半導体材料まで事業が多岐にわたる中で計算科学を応用するなど、今回の取り組みを通じて新たな価値創造につなげたい考えだ。東工大物質・情報卓越教育院でも物質科学と情報科学を融合させて物事を俯瞰的に捉え、新たな研究開発ができる人材育成に取り組んでいる。
日刊工業新聞 2023年07月27日