JX金属が汎用電解銅粉などの製造・販売を終了する背景事情
JX金属は、半導体材料などフォーカス事業の強化に向けた施策の一環として、汎用電解銅粉、鍍銅鉄粉、複合粉末の製造・販売を終了する。順次、対象製品の製造を終了し、顧客と個別に相談の上、2024年12月末をめどに販売を終了する予定。サブミクロンサイズの銅微粉については、各種基板の配線材料向け導電性ペーストなどへの採用を視野に入れた研究開発を推進する。
販売終了する製品は、電気銅の製造や圧延銅箔の後工程、研究開発などを行う日立事業所(茨城県日立市)で製造されている。対象製品の製造に関わる従業員は、日立地区など茨城県内の各拠点への配置転換を行う方針。
JX金属は1982年に電解銅粉の製造・販売を開始。車載部品や産業機械、各種民生機器などの用途で利用され、その後も鍍銅鉄粉や複合粉末へと製品群を拡大させてきた。
昨今、エネルギーコストなどの諸費用の上昇が続く中、安定生産体制の確保や、顧客からの幅広い要望に応えるための設備投資を継続することが困難になり、これら製品の製造・販売終了を決めた。
日刊工業新聞 2023年07月27日