次世代原子炉「高温ガス炉」、実証炉開発「中核企業」に三菱重工
経済産業省は25日、高温ガス炉の実証炉開発事業で設計や製造、建設を担う「中核企業」に三菱重工業を選定したと発表した。実績やエンジニアリング能力を評価した。2030年代の運転開始を目指し体制を整える。
実験炉などを通じ高温ガス炉開発の実績が豊富なこと、総合的なエンジニアリング能力を有していることを選定理由に挙げた。サプライヤーの状況を把握しており、サプライチェーン(供給網)の維持・強化も期待できるとした。
経産省は高温ガス炉実証炉開発事業として23年度からの3年間で431億円を充てる。中核企業を3月に公募した。応募は一件のみだった。三菱重工は高速炉の実証炉開発事業でも中核企業に選定された。
高温ガス炉は冷却材にヘリウムガスを使い、従来の軽水炉より高い温度の熱を取り出せる。発電だけでなく水素製造にも使えるほか、安全性も高く次世代原子炉の一つとして実用化が期待されている。
日刊工業新聞 2023年07月26日