ホンダジェット新型量産、HACIが77億円投資
ホンダエアクラフトカンパニー(HACI、米ノースカロライナ州、山崎英人社長)は、新型の小型ビジネスジェット機「ホンダジェット2600」の開発と量産のため、ノースカロライナ州グリーンズボロ市の既存工場に約77億円(5570万ドル)を投資する。2028年までの量産開始と型式証明取得を目指し、工場に新型ジェットの開発や生産のための設備を導入する。投資に伴い、同工場は新たに約280人を雇用する。
HACIが開発中の新型ジェット機は6月に「ホンダジェット2600コンセプト」として製品化の方針を発表した。
現在HACIが生産している「ホンダジェットエリートⅡ」よりも1クラス上のライトジェット機のカテゴリーに属する。主翼上面のエンジン配置、コンポジット胴体などを進化させており、最大11人が搭乗可能。通常のライトジェット機より20%、中型ジェット機より40%以上燃費を向上した。航続距離は現行機より約7割長い約4862キロメートル。ライトジェット機としては世界初となる給油なしのアメリカ大陸横断を可能とする。
HACIは28年頃にアメリカ連邦航空局(FAA)の型式証明を取得し、顧客への納入を始める計画。それまでの開発と量産ラインの構築などに資金を投じ、現行機と新型機の2機種を生産する体制をつくる。HACIの投資計画に対しては、ノースカロライナ州から12年間で最大約4億8000万円(約343万ドル)の補助金が得られる。
HACIの小型ビジネスジェット機は納入開始の15年度から22年度末までに累計227台の納入実績がある。22年はコロナ禍や機種の切り替えの影響があったが、17―21年に5年連続で小型ジェット機カテゴリーとして世界1位の納入数を達成している。
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日刊工業新聞 2023年07月24日