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東京・大田区の町工場が協力、「ベルトコンベヤー型3Dプリンター」の実力

東京・大田区の町工場が協力、「ベルトコンベヤー型3Dプリンター」の実力

高精度なステンレス製ベルトコンベヤーにより、連続造形や長尺ものを造形できる

BirthT(バースト、東京都大田区、渡辺龍徳最高経営責任者〈CEO〉)は、産業用のベルトコンベヤー型3Dプリンターを完成した。連続造形が可能なほか、遠隔地からオンライン操作で自動化に対応できる。部品製造はムソー工業(同区)など大田区内の町工場が協力した。輸出も視野に入れる。消費税抜きの価格は250万円。モニター企業10社を募り、用途、機能・運用を検証する。3Dプリンター導入企業やスタートアップ、学校などに年50台の販売を目指す。

今回の「LeeePRO Mk―Ⅰ」開発に当たり、自社のベルトコンベヤー型家庭用3Dプリンター「Leee」が抱えていた構造的な課題を解決した。ベルトを樹脂からステンレスに変更して剛性を高め、造形物の反りを抑え込み、3Dプリンターの基礎的な性能を保証した。

造形方式は熱溶解積層法(FDM)。造形用の素材は従来のポリ乳酸(PLA)樹脂などに、工業用途のABS樹脂やナイロン、ポリカーボネートが加わった。ベルト関連技術はスチールベルト製販会社の協力を得て、バーストが「ベルトコンベア型3Dプリンターの高性能金属ベルト」について特許を出願中。本体は幅645ミリ×奥行き1025ミリ×高さ750ミリメートル。印刷速度は毎秒10ミリ―80ミリメートル。ノズルは二つあり、異なる素材の同時使用、同じモデルの同時造形が可能で、生産効率を高められる。

造形物は幅300ミリ×高さ300ミリメートルで奥行き方向は制限がなく、長尺物など大型部材を分割せずに一度に造形できる。造形物はベルトコンベヤーで運ばれ、自動的にはがれる。遠隔からオンラインで操作し、各種センサーが造形の状況を監視。問題発生時には強制終了し、自動で剝離、再造形を行う。電源は家庭用のAC100ボルトに対応し、オフィス内に設置して試作品を製作することが可能だ。

バーストは2019年創業のベンチャー。3Dプリンター会社として町工場との関係づくりが不可欠と考え、22年に大田区の創業支援施設「六郷BASE」に入居。切削加工のムソー工業をはじめ、精密板金加工の武甲製作所、樹脂加工の岸本工業など大田区の機械加工会社と協力体制を構築、今後も連携していく。


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日刊工業新聞 2023年07月21日

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