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電圧検出を高精度・小型化、トレックスが高耐圧型を開発

電圧検出を高精度・小型化、トレックスが高耐圧型を開発

基板に実装した「XC6138シリーズ」

トレックス・セミコンダクターは76ボルトの電圧に対応した高耐圧型電圧検出器(リセットIC)「XC6138シリーズ」を開発した。21日に発売する。低耐圧製品で必要だった分割抵抗を使わずに電源ラインを直接監視でき、高精度化や省スペース化が図れる。消費税込みのサンプル価格は36円。工場の直流(DC)電源など幅広い産業機器での利用を想定し、初年度10万個、2年目に100万個の販売を目指す。

XC6138シリーズは電源電圧端子と電圧検出端子(センス端子)を分離した電圧検出器。電源ラインの電圧を監視し、所定の電圧より下がった場合に異常とみなし、リセット信号を出力する。

センス端子は76ボルトでの動作に対応。高耐圧化により抵抗部品が不要で部品点数を削減でき、直接監視により電圧を高精度に検出できる。12ボルト、24ボルトの電源ラインや多セルのリチウムイオン電池(LiB)などの直接監視に適している。

一般的な電圧検出器は検出電圧のみを任意に設定し、解除電圧はヒステリシス幅(電圧差)を検出電圧の5%程度に固定することが多い。これに対してXC6138シリーズは検出電圧と解除電圧をそれぞれ設定可能。ヒステリシス幅を広く設定することで、入力が大きく揺れてしまう不安定な電源や、モーター負荷などで電圧変動が大きい場合など、さまざまな電圧ラインに対応できる。

日刊工業新聞 2023年07月21日

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