今日は4年に1度の日。2012年2月29日に産業界で何があった?
孫さんに津賀さんに坂本さん・・。株価は1万円が見え大騒ぎ
*ソフトバンクに900メガ“プラチナバンド”を割り当て
総務省は29日、電波監理審議会を開催し、携帯電話向けで“プラチナバンド”と呼ばれる通信環境に優れる900メガヘルツ帯の割当先をソフトバンクモバイル(SBM)に決めた。NTTドコモ、KDDI、SBM、イー・アクセスの4社の事業計画を比較審査した結果、SBMが最も高い得点を獲得。早ければ今年7月から使用する。他社よりも「つながりにくい」とされているSBMの通信品質の改善が見込まれスマートフォン(多機能携帯電話)をめぐる各社の競争が加速しそうだ。
総務省は同日の電波監理審議会で900メガヘルツ帯の割当先についてSBMが妥当と提案、了承された。今回の審査では最低限満たすべき絶対審査基準を4社ともクリアし、競願時審査基準に持ち越された。
900メガヘルツ帯へのスムーズな移行計画はイー・アクセスとSBMが高得点を獲得。各社の電波割り当て状況や電波の逼迫(ひっぱく)度の比較でSBMが高い得点を得たのが獲得の決め手となった。最終得点はSBMが点、イー・アクセスが8点、ドコモとKDDIが5点だった。
SBMがプラチナバンドを獲得したことで、通信業界地図にも大きな影響を与える可能性がある。電波の通りの良い800メガヘルツ帯を保有するドコモ、KDDIはその優位性で高いブランド力を維持してきたからだ。
SBMは昨年10月まで米アップルのアイフォーンを独占販売してシェアを伸ばし、契約者数2位のKDDIの背中が射程に入った。KDDIも昨年10月からアイフォーンの販売を開始。通信品質を訴えたが、想定以上の流出はなくSBMが守りきった格好だ。
スマホの販売競争が激しくなる中、SBMが2社と同レベルの通信品質で提供することになれば、料金や端末、アプリケーション(応用ソフト)などの差別化による競争が加速することが予想される。
孫正義ソフトバンク社長は「大変うれしく思っている。同時に900メガヘルツという電波をしっかり活用する重責も感じている。引き続き当社ネットワーク充実にまい進したい」と語った。
エルピーダメモリは29日午後、東京都港区で債権者集会を開いた。参加者によれば、坂本幸雄社長が冒頭、会社更生法に至った経緯を説明し、債権者からの質問には弁護士が回答した。
焦点となる再建の枠組みについての質問が相次ぎ、具体的な説明はなかったものの、複数のスポンサーからのオファーがあることを示したという。
出席者からは「前向きで建設的だった」(取引業者)との声があったほか、「破綻は仕方がない。頑張ってほしい」(金融系)との声もあった。
パナソニックの津賀一宏次期社長は29日都内で会見し、「エコ&スマート」をコンセプトに薄型テレビなど音響・映像(AV)機器部門を成長させる方針を明らかにした。テレビやデジタルカメラなどのAV機器部門は従来、画質や性能などの開発に力を入れてきたが、韓国・サムスン電子など海外メーカーのマーケティング力や安値攻勢を前に巨額赤字に転落。同席した大坪文雄社長も「特に新興国ではAV、白物家電の基本性能として省エネが求められる」と全社の新興国戦略でも同構想が核となる。技術先行の商品開発を見直し、全世界で顧客価値を最優先に事業展開できるかが復活のカギとなりそうだ。
―AV機器部門をどう立て直しますか。
津賀氏 我々が掲げるエコ&スマートのコンセプトのもとで成長することはAV機器の領域でも可能だ。最終的にお客さまの価値を明確にすることが成長には不可欠だ。
―創業家以外では最年少社長になるが、不安はありますか。
津賀氏 自分を年少とは正直思っていない。経営をチームでやっていく中で、スピード感を出すことが重要だ。若さよりもスピード感の向上が最大のプレッシャーだ。
―これからのパナソニックの成長源は何でしょうか。
大坪氏 エアコンやテレビなどの単品もあるが、あらゆるビジネスをソリューション型にもっていきたい。従来の商品・サービス体制を集約していく。街や家、ビルなどのまるごとビジネスは国内外で無数にある。業界のトップランナーとして走れる。
津賀氏 数字を伸ばすだけでなく、成長性、独自性をもう一度考える必要がある。全てのドメインで成長性、収益性を実現できるよう、焦点の当て方を考えたい。
29日の東京株式市場は前日の米国株が好調で上昇したものの、大引けにかけて売りが優勢となり、小幅続伸。日経平均株価の終値は、前日比72銭高の9723円24銭と2日続伸。株価は一時、2011年8月1日以来、7カ月ぶりに9800円台を付けた。
前日の米国市場は2月の米消費者信頼感指数が予想を上回り、景気拡大期待が広がって、ダウ工業株30種平均は、約3年9カ月ぶりに1万3000ドルを回復した。この流れを受けた東京市場は、寄りつきから大幅上昇。東京外国為替市場で円安が進むと、さらに買いの勢いが増し、一時9800円台を付けた。しかし午後に入り、円安が一服すると、利益確定売りが重しとなり、小幅の上昇に止まった。
みずほ証券グローバル調査業務部の堀内隆文ストラテジストは「値動きの裏付けが取りにくく、時間帯によって仕掛け的な買いが入っているのでは」とする。今後については「1万円を試しに行く展開はあると思うが、3月末時点は9500円くらいではないか」と予測する。
SMBC日興証券株式調査部の阪上亮太チーフストラテジストは「来期の企業業績が不確定な状況での上昇には限界があり、ここから調整に入る可能性が高いのでは」とし、3月期末時点の予想レンジは「9000―9500円」としている。
総務省は29日、電波監理審議会を開催し、携帯電話向けで“プラチナバンド”と呼ばれる通信環境に優れる900メガヘルツ帯の割当先をソフトバンクモバイル(SBM)に決めた。NTTドコモ、KDDI、SBM、イー・アクセスの4社の事業計画を比較審査した結果、SBMが最も高い得点を獲得。早ければ今年7月から使用する。他社よりも「つながりにくい」とされているSBMの通信品質の改善が見込まれスマートフォン(多機能携帯電話)をめぐる各社の競争が加速しそうだ。
総務省は同日の電波監理審議会で900メガヘルツ帯の割当先についてSBMが妥当と提案、了承された。今回の審査では最低限満たすべき絶対審査基準を4社ともクリアし、競願時審査基準に持ち越された。
900メガヘルツ帯へのスムーズな移行計画はイー・アクセスとSBMが高得点を獲得。各社の電波割り当て状況や電波の逼迫(ひっぱく)度の比較でSBMが高い得点を得たのが獲得の決め手となった。最終得点はSBMが点、イー・アクセスが8点、ドコモとKDDIが5点だった。
SBMがプラチナバンドを獲得したことで、通信業界地図にも大きな影響を与える可能性がある。電波の通りの良い800メガヘルツ帯を保有するドコモ、KDDIはその優位性で高いブランド力を維持してきたからだ。
SBMは昨年10月まで米アップルのアイフォーンを独占販売してシェアを伸ばし、契約者数2位のKDDIの背中が射程に入った。KDDIも昨年10月からアイフォーンの販売を開始。通信品質を訴えたが、想定以上の流出はなくSBMが守りきった格好だ。
スマホの販売競争が激しくなる中、SBMが2社と同レベルの通信品質で提供することになれば、料金や端末、アプリケーション(応用ソフト)などの差別化による競争が加速することが予想される。
孫社長「大変うれしい」
孫正義ソフトバンク社長は「大変うれしく思っている。同時に900メガヘルツという電波をしっかり活用する重責も感じている。引き続き当社ネットワーク充実にまい進したい」と語った。
会社更生法のエルピーダ、債権者集会。「複数のオファーある」(坂本社長)
エルピーダメモリは29日午後、東京都港区で債権者集会を開いた。参加者によれば、坂本幸雄社長が冒頭、会社更生法に至った経緯を説明し、債権者からの質問には弁護士が回答した。
焦点となる再建の枠組みについての質問が相次ぎ、具体的な説明はなかったものの、複数のスポンサーからのオファーがあることを示したという。
出席者からは「前向きで建設的だった」(取引業者)との声があったほか、「破綻は仕方がない。頑張ってほしい」(金融系)との声もあった。
パナソニックの津賀次期社長が会見
パナソニックの津賀一宏次期社長は29日都内で会見し、「エコ&スマート」をコンセプトに薄型テレビなど音響・映像(AV)機器部門を成長させる方針を明らかにした。テレビやデジタルカメラなどのAV機器部門は従来、画質や性能などの開発に力を入れてきたが、韓国・サムスン電子など海外メーカーのマーケティング力や安値攻勢を前に巨額赤字に転落。同席した大坪文雄社長も「特に新興国ではAV、白物家電の基本性能として省エネが求められる」と全社の新興国戦略でも同構想が核となる。技術先行の商品開発を見直し、全世界で顧客価値を最優先に事業展開できるかが復活のカギとなりそうだ。
「成長・独自性を再考」(津賀氏)
―AV機器部門をどう立て直しますか。
津賀氏 我々が掲げるエコ&スマートのコンセプトのもとで成長することはAV機器の領域でも可能だ。最終的にお客さまの価値を明確にすることが成長には不可欠だ。
―創業家以外では最年少社長になるが、不安はありますか。
津賀氏 自分を年少とは正直思っていない。経営をチームでやっていく中で、スピード感を出すことが重要だ。若さよりもスピード感の向上が最大のプレッシャーだ。
―これからのパナソニックの成長源は何でしょうか。
大坪氏 エアコンやテレビなどの単品もあるが、あらゆるビジネスをソリューション型にもっていきたい。従来の商品・サービス体制を集約していく。街や家、ビルなどのまるごとビジネスは国内外で無数にある。業界のトップランナーとして走れる。
津賀氏 数字を伸ばすだけでなく、成長性、独自性をもう一度考える必要がある。全てのドメインで成長性、収益性を実現できるよう、焦点の当て方を考えたい。
東京市場続伸、7カ月ぶりに一時9800円台
29日の東京株式市場は前日の米国株が好調で上昇したものの、大引けにかけて売りが優勢となり、小幅続伸。日経平均株価の終値は、前日比72銭高の9723円24銭と2日続伸。株価は一時、2011年8月1日以来、7カ月ぶりに9800円台を付けた。
前日の米国市場は2月の米消費者信頼感指数が予想を上回り、景気拡大期待が広がって、ダウ工業株30種平均は、約3年9カ月ぶりに1万3000ドルを回復した。この流れを受けた東京市場は、寄りつきから大幅上昇。東京外国為替市場で円安が進むと、さらに買いの勢いが増し、一時9800円台を付けた。しかし午後に入り、円安が一服すると、利益確定売りが重しとなり、小幅の上昇に止まった。
みずほ証券グローバル調査業務部の堀内隆文ストラテジストは「値動きの裏付けが取りにくく、時間帯によって仕掛け的な買いが入っているのでは」とする。今後については「1万円を試しに行く展開はあると思うが、3月末時点は9500円くらいではないか」と予測する。
SMBC日興証券株式調査部の阪上亮太チーフストラテジストは「来期の企業業績が不確定な状況での上昇には限界があり、ここから調整に入る可能性が高いのでは」とし、3月期末時点の予想レンジは「9000―9500円」としている。