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事務機の世界出荷、今年と来年は微減の見通し

JBMIA予測。OA業界、安寧の時代は終わるのか
 ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)は23日、2017年までの事務機械の世界出荷予測を発表した。先進国市場の成熟に加え、成長市場である中国や新興国で景気減速が影響。13年以降微増が続いていたが、16年からは前年比2%強の微減で推移、17年は1兆8603億円になる見通しだ。

 一方、同時に発表した15年の出荷金額見込みは、米国の景気回復や円安による需要拡大で同3・5%増の1兆9483億円だった。

 最も割合の大きい複写機・複合機は、カラー比率向上に伴いモノクロ機の出荷が減少。海外を中心に出荷増が期待されるが、出荷金額全体では減少する。

 統計には含まれないが、ITシステムなどで書類の運用や管理を効率化する「ドキュメント・マネジメント・サービス」の出荷金額は、年率3%程度で拡大する見通し。機器や消耗品販売で利益を得る従来のビジネスモデルから、事務機とクラウドを連携するITサービスへの移行が加速すると見られる。

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http://newswitch.jp/p/3656
日刊工業新聞2016年2月24日4面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
この10ー15年、コンシューマエレクトロニクスは激動の時代だった。一方でOA業界は比較的平和な時代だったと言える。プロダクツのサービス化にいち早く成功したという比較的、日本では珍しい分野だ。しかしこれからの10年はIoTやクラウド化の流れの中で、OA業界も地殻変動が起こる可能性が高い。出荷金額はあまり変化しないかもしれないが、プレーヤーの下克上はありえる。エプソンの新しい取り組みなどは日本勢がこれまで強みにしてきたものを毀損するリスクもはらんでいるが、それでも現状打破に動く姿勢に注目したい。 なお、上記の数値はさまざまな注釈事項があるので、詳細を知りたい方はJBMIAのホームページを確認を。

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