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ルネサスのSiCパワー半導体量産に追い風、米大手と10年間のウエハー供給契約

ルネサスのSiCパワー半導体量産に追い風、米大手と10年間のウエハー供給契約

握手をするルネサスの柴田英利社長兼CEO(左)とウルフスピードのグレッグ・ロウCEO

ルネサスエレクトロニクスは5日、米半導体大手のウルフスピードと10年間の炭化ケイ素(SiC)ウエハー(基板)の供給契約を締結したと発表した。ルネサスが20億ドル(約2900億円)の預託金を提供し、供給を担保してもらう。実際の供給の際には別途代金を支払う。ウルフスピードから高品質なSiCウエハーを安定的に得ることで、ルネサスが2025年に予定するSiCパワー半導体の量産開始に向け追い風になる。

ルネサスは高崎工場(群馬県高崎市)でSiCパワー半導体の新ラインを設置することを決めており、電気自動車(EV)向けなどの需要を取り込む。

脱炭素の流れを受けて従来のシリコン(Si)製より電力変換効率などに優れたSiCパワー半導体の需要が高まっているものの、半導体メーカーにとってウエハーの安定供給が課題だった。


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日刊工業新聞 2023年07月06日

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