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工作機械、空へ照準 ヤマザキマザックが三重県に新工場

200億円投資
 【名古屋】ヤマザキマザックは25日、三重県いなべ市に大型工作機械を製造する工場「いなべ製作所」(仮称、完成予想図)を建設すると発表した。今秋をめどに着工し、3―4年間で段階的に稼働させる。2019年度中に全面稼働の予定で、総投資額は約200億円。大型機を用いる航空機産業が好調なのを受け、より大きな製品を作れる体制を整える。

 新工場は敷地面積が約11万5000平方メートル、延べ床面積が約5万6000平方メートル。第1期の整備は80億円かけて実施し、18年初頭に稼働。第2期以降に120億円を投じる。

 同社は現在、門型マシニングセンター(MC)を美濃加茂製作所(岐阜県美濃加茂市)、5軸加工機をグループ会社のヤマザキマザック精工(三重県桑名市)で生産。今後、順次、それらを新工場に移管し、航空機や造船、鉄道、建設機械などの重工業向け大型機の生産を強化する。

 新工場はマザック精工の工場に比べ、2倍強の延べ床面積を有する。天井も高くすることで高さ8メートル強の工作機械が作れるという。物流の最適化やモノのインターネット(IoT)の活用も進め、生産性を5割向上させることを目指す。

 山崎智久社長は国内で新工場を建設する狙いについて「高性能、高付加価値の機械は国内で作る方針であり、今は大型機、高性能の機械をもっと作りたいので国内生産を拡大する」と話している。
日刊工業新聞2016年2月26日付 機械・航空機 面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ヤマザキマザックが航空機産業向けなどの大型機生産を強化します。航空機部品はひとつの部品でも大きいものでは長さ10メートル以上にもなり、大型の機械が必要になります(例えばアルミ合金を削り出してつくる胴体や胴体部品など)。航空機産業の好調ぶりを受け、機械メーカーも大型投資に走る構図になってきました。

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