デンソーがSOEC実証、インバーター構成部品の試作ラインにグリーン水素活用
デンソーは電子部品などを手がける広瀬製作所(愛知県豊田市)で、高温で動作し水蒸気を電気分解して水素を作る固体酸化物電解セル(SOEC)を製造に使う実証試験を7月に始める。SOECで作ったグリーン水素を、インバーターの構成部品であるパワーカードの試作ラインに活用する。2025年以降の量産ラインへの実装を目指す。
水素製造能力が1台当たり1日320ノルマル立方メートルのSOEC実証機2台を工場内に設置する。水素はパワーカードの部品をハンダ付けする工程で使う。現在は外部調達しているが、SOEC製に置き換える。使う水素の量は量産ラインの40分の1から50分の1程度。SOECに使うグリーン電力は外部購入でまかなうが、25年以降は工場に設置する大型太陽光発電を活用する計画だ。
SOECはセラミック膜を電解質に使う。デンソーの技術は内部を700度Cの高温に保つことで、一般的な高分子膜を電解質とするPEM形水電解装置に比べ電解に必要なエネルギーを12%削減できるという。
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日刊工業新聞 2023年06月29日