VR活用し地震災害時の避難行動を検証実験
東大生研など、避難場所検討に活用
東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターの加藤孝明准教授らは、東京消防庁などと共同で地震火災発生時の人の避難行動について、コンピューター上の仮想的な世界(仮想現実)を使って検証する実験を始めた。人が避難行動を始める際の火災現場までの距離などを調べる。東京都が2018年頃の改定を検討する避難場所などでの活用を目指す。
総務省消防庁の「消防防災科学技術研究推進制度」で実施。装着すると、360度の仮想現実が体感できるヘッドマウントディスプレーを使う。仮想現実は首都直下地震に伴う火災で、大規模な被害が懸念される東京・山の手地区を再現した。
仮想現実内で火災を発生させ、煙や火がどの程度近づいた時に避難するかなどを検証する。共同研究者を対象に予備実験を進めており、16年度には一般人を対象に行う予定。100人以上のデータを集め、火災時の人の行動特性を分析する。
結果については、地震火災が発生した際の避難先として東京都が指定する場所の改定作業などに反映させる。避難場所は、火災による放射熱を考慮した利用可能な空間として1人当たり1平方メートル以上を確保できるように決める。それぞれの収容人数を踏まえて、居住地域ごとに避難場所が指定される。
ただ火災の延焼状況などに応じて、指定場所以外への避難を余儀なくされるケースが想定される。「場所によっては収容人数を上回る可能性があるため、避難場所を検討する上で人の行動の検証は重要になる」(加藤准教授)。
加藤准教授らは、現実の人の避難行動を地図上で再現するシミュレーターについて、実験結果を基に構築し、避難場所の検討で使えるようにする。シミュレーターは、延焼防止を重点的に進める箇所の特定などでの活用も期待される。
総務省消防庁の「消防防災科学技術研究推進制度」で実施。装着すると、360度の仮想現実が体感できるヘッドマウントディスプレーを使う。仮想現実は首都直下地震に伴う火災で、大規模な被害が懸念される東京・山の手地区を再現した。
仮想現実内で火災を発生させ、煙や火がどの程度近づいた時に避難するかなどを検証する。共同研究者を対象に予備実験を進めており、16年度には一般人を対象に行う予定。100人以上のデータを集め、火災時の人の行動特性を分析する。
結果については、地震火災が発生した際の避難先として東京都が指定する場所の改定作業などに反映させる。避難場所は、火災による放射熱を考慮した利用可能な空間として1人当たり1平方メートル以上を確保できるように決める。それぞれの収容人数を踏まえて、居住地域ごとに避難場所が指定される。
ただ火災の延焼状況などに応じて、指定場所以外への避難を余儀なくされるケースが想定される。「場所によっては収容人数を上回る可能性があるため、避難場所を検討する上で人の行動の検証は重要になる」(加藤准教授)。
加藤准教授らは、現実の人の避難行動を地図上で再現するシミュレーターについて、実験結果を基に構築し、避難場所の検討で使えるようにする。シミュレーターは、延焼防止を重点的に進める箇所の特定などでの活用も期待される。
日刊工業新聞2016年2月26日 科学技術・大学面