トヨタFCVに“豪州産水素”充填
ENEOSは26日、独自技術である「ダイレクトMCH」を用いて豪州から日本に輸送した水素を、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)に充填した。グリーン水素のサプライチェーン(供給網)構築戦略の一環で、宮田知秀副社長は「グリーン水素を海外から大量に日本に運んでくる初の実証」と意義を強調した。
水素を常温輸送するにはメチルシクロヘキサン(MCH)に変換する必要がある。同社の技術は再生可能エネルギーなどの電気から水とトルエンを用いてMCHを一段階の反応で製造できる。水素をいったんタンクに貯蔵する必要がないため、低コストなのが特徴だ。
すでに豪・ブリスベンに150キロワット級の中型電解槽と250キロワットの太陽光発電設備を組み合わせた実証プラントを稼働しており、今回、MCHとして日本に輸送した上で水素を取り出し横浜綱島水素ステーション(横浜市港北区)で車両に充填された。同社は2025年に向けて電解槽の大型化をさらに進め、小型水素発電1基分に相当する規模の水素を同手法で製造することを目指してい
【関連記事】 トヨタグループも注目、熱源を操り省エネを実現する愛知の実力企業
日刊工業新聞 2023年月6月27日