半導体投資のスタンスは?…日立が株主総会で語ったこと
日立製作所は21日、都内で定時株主総会を開いた。小島啓二社長(写真)は国内で半導体関連投資が相次いでいる中での日立のスタンスについて「半導体の製造検査や製造機器では相当注力しており(子会社の)日立ハイテクが中心になって世界で活躍している。これをさらに強くしたい」と述べた。
次世代半導体の量産を目指すラピダスへの出資について、森田守執行役専務は「装置とその使い方で競争力を上げるお手伝いの方法を考えている」と述べ、出資には否定的な見解を示した。ラピダスにはトヨタ自動車やNTTなど大手8社が出資しているが、日立は出資していない。
その上で小島社長は「日本が成長する上での基盤はエネルギーと半導体、そして人工知能(AI)だと思っている。そういったことに日立も貢献できるように進めたい」と述べるにとどめた。
またサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化について村山昌史執行役常務は「(コロナ禍で)半導体をはじめ部材の供給で苦労した。必要な部材は戦略的に在庫を行うと同時に、これまで使っていた伝統的な製品や部品は今後標準となるであろうものに変えていく」と説明した。
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日刊工業新聞 2023年06月22日