トヨタが8年ぶり全面改良…「アルファード」「ヴェルファイア」の向上した性能
トヨタ自動車は21日、高級ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」の新型車を発売したと発表した。8年ぶりの全面改良。フロント・リアのサスペンションを刷新するなどして、人に伝わる振動を従来比約3分の1に低減した。中南米や東南アジアなど販売地域も増やす。消費税込みの価格はアルファードが540万―872万円。ヴェルファイアが655万―892万円。2車種合わせ国内では月販8500台を目指す。
パワートレーン(駆動装置)はハイブリッド車(HV)とガソリン車を用意。今後、プラグインハイブリッド車(PHV)も投入する。国内販売は約7割がアルファード、約3割がヴェルファイアと想定。同日開いた発表会でサイモン・ハンフリーズ執行役員は販売する国・地域について「2倍程度にする」と意気込んだ。トヨタ車体いなべ工場(三重県いなべ市)で生産する。
プラットフォーム(車台)は新設計思想「TNGA」を採用しミニバン用に最適化。車体底部の後方に補強パーツをV字型に設置し、従来比で車両剛性を約50%高めた。
ハンフリーズ執行役員は「日本のおもてなしが生み出した車」と紹介。アルファードの人気が高く「ヴェルファイアは廃止される運命にあった」としながらも「2車種が競うことでそれぞれの存在意義が生まれた」と開発経緯を話した。ヴェルファイアには専用のボディー剛性部品を用意し、運転する喜びを提供する。
両車種は要人を後席に乗せて専属運転手が運転する「ショーファーカー」としての利用も拡大している。同日の発表会ではショーファーカーのラインアップについて、最高級車「センチュリー」のスポーツ多目的車(SUV)タイプと見られる新型車の投入も予告。中嶋裕樹副社長は詳細を伏せたが「ショーファーカーの新カテゴリーに挑戦する」との考えを示した。
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